発達障害の拡大と知見の増大
2025.11.24
自閉症理解の広がりと境界線なき考え方
診察室に患者として現れる子どもたち、園や学校から対応の相談をされる子どもたち、アスペ・エルデの会に参加を希望される子どもたちは、急速に増加していきました。
療育関係では、自閉症の診断は確立していたのですが、年齢や暮らしている環境で臨床像が変化する彼らをどのように理解するか、専門家たちの間で熱い論争が繰り返されました。
症例数の増加とともに、自閉症という概念も拡大し、自閉症スペクトラム(連続体)としてとらえ、ボーダーレスの考え方が確立されました。境界線はないということです。
早期診断の重要性と支援の拡大
園や学校にいろいろな外部の専門家が入り、チームで対応していくという新しい形も施行されました。教育界では特別支援教育対象児童が増加し、特に通級という形態が学校に広がりました。
通常学級でも特別支援を実施するという常識が生まれてきたのでした。このように、発達障害の知見が集積されるにつれ、生涯にわたる支援、特に成人期にも支援が必要な場合が認識され、幼児期や学童期だけの支援では不十分なことも理解されてきました。
従来の乳幼児健診では発見されていない発達障害の子どもたちが、学童期、成人期に社会適応を急速に悪化させている症例をどこの医療機関でも多数経験し、早期診断の重要性に今更ながら気が付きました。

